夢や幻覚症状について描かれたシュールな映画
薬や統合失調症の症状として表れる幻覚や夢の世界などを現実を超越した世界をテーマとした8つの映画を紹介したいと思います。
ブラックスワン
ブラックスワンはバレリーナを演じるナタリー・ポートマンが主演を勝ち取るための争いの中で、同世代のライバルからのプレッシャーや母親からの過剰な干渉で、精神を病んでいき幻覚に悩まされるという映画。 ブラックスワンで特にすごいと思ったのは、幻覚を見ているシーンもだが、恐怖を感じたとき、痛みを感じたときのカメラワークが、実際の私たちの感じている、主観的な世界をうまく表現しているところだった。 痛みを感じているとき、その体の一部分にしか意識が向かないときがある。 例えば、爪が割れてしまったとき、勉強に集中しなくてはならないのにそこばかり気になってしまう。 なんの異常もないときは、ほとんど意識に上らないのに。ほかのことを考えていても、その部分が気になってしまう。 安全だ、誰にも見られていないと思っていたから、他人には見られたくないことをしていたのに、突然誰かの存在に気づいたとき。 一瞬で心拍数が上がり、その誰かの存在に視線が吸い寄せられ、それまでにやっていたことから完全に意識がそがれてしまう。 そういった場面での主観的な感情表現がすごく忠実に再現されていた。 そういった意識の集中・主観的な見方をカメラワークで見せていたため、幻覚を見ているシーンもよりリアルに感じられたように思う。 ただ、素晴らしいと思う反面、あまりに主人公に共感してしまって、実際に痛みや恐怖を感じているように錯覚してしまい、見終わった後、非常に疲れた思い出がある。 一度しか見ていないけれど、すごく印象に残っている。 私の中では、いい映画だと思うけど、あまりに体力を使うので、もう一度見返すには感情的な障壁を感じる不思議な作品になっている。
ビューティフル・マインド
ビューティフル・マインドは統合失調症でノーベル賞を受賞した実在の数学者、ジョン・ナッシュが主人公の映画。 ビューティフルマインドでは、作中に緑を効果的に使っていた。 作中では、主人公のジョン・ナッシュが数式をノートやメモ帖に書き込む際に、常にグリーンの色鉛筆で書き込んでいた。
主人公の洋服、親友の洋服にもグリーンが多く使われていた。 緑というのは想像力を豊かにする効果がある一方、自分の想像の世界にこもりがちなるという逆効果をもたらすらしい。 もしかすると、そういった心理効果を知っていたうえでの演出なのか、それともジョン・ナッシュさんの実際のエピソードを参考にしたうえでなのか私は知らない。 ただ、統合失調症患者が緑を好むという設定に、何らかの意味がありそうで興味深かった。 特定の精神疾患患者が一つの色を好んだり、嫌ったりという話はよく聞く。 ある種の精神活動と特定の色が共鳴しあったり、反発しあったりというのは、一般的なのかもしれないなと思った。
パプリカ
千葉敦子は夢を共有できる装置DCミニの中で別人格「パプリカ」となって活躍するサイコセラピスト。夢探偵となって、犯罪者と夢の中で戦う。
インセプション
夢の世界へと出入りすることができるなか、ただ一人記憶を植え付けることに成功したコブはある人物にも記憶を植え付けることを依頼される。
シャッターアイランド
バニラスカイ
未来世紀ブラジル
ゼロの未来
世界はマンコム社のコンピュータで支配されていた。自分のことを「我々」と呼ぶ変わり者で孤独なマンコム社のプログラマー・コーエン(クリストフ・ヴァルツ)は、コンピュータを通して、現実世界とかかわりを持つようになっていく。
ナンバー23
この世は23という数字によって支配されているという考えに取りつかれた主人公(ジムキャリー)は徐々に精神に異常をきたしていく。
ザ・セル
心理学者キャサリンは、最先端の技術を使って研究患者の精神世界に入り込む治療を行っている。ある日、異常連続殺人犯カール・スターガーの脳に入り、彼が拉致した女性の監禁場所を探り出して欲しいとFBIからの依頼を受ける。