何かを探索し、学ぶためには、安全地帯を作ることが大切
何かを突き詰めて考えたりする時には、人は無防備になります。
恐怖や不安を感じながら、同時に何かに100パーセント集中出来る人は少ないのではないでしょうか?
子供の頃にきちんと両親に守られて、安全な環境で育てられないと、新しいものや環境で探索できなくなるように、大人になってからも、安全地帯を持つことは学習に大切なのではないでしょうか?
人だけではなく、他の動物でもこういったことが起こります。
有名なハーロウのアカゲザルの実験でも、幼い頃に母親から引き離され、安全地帯を持てなかったアカゲザルは探索行動ができなくなったそうです。
恐怖や不安を感じるという状態はある意味、恐怖や不安を感じさせる対象を、排除もしくは対象から逃げるための準備状態とも言えると思います。
そんな時、生物はなによりも優先して恐怖や不安を感じさせる対象に向かい合わなければなりません。
恐怖や不安を感じている場合、それ以外のことを考えるのは難しくなるのは、恐怖や不安を処理するシステムがなによりも優先されるからかもしれません。
人間は他の生物よりも物事と物事を飛躍させ、結びつける能力に長けています。
そのため、直接は関係のない事柄を不安や恐怖と結びつけてしまうことがあります。
新しいことを学びたいと思ったとき、出来るだけ、恐怖や不安を感じさせるものを排除してみるのも学習効率を高める有効な手段なのかもしれません。